Mr.GAMEHITのクリエイティブディレクター、佐藤昭博です。私たちはこれまで、ゲームの魅力をどう伝えるかを軸に、広告クリエイティブの企画・制作を行ってきました。
「AI」という言葉を聞かない日はないほど、生成AIが身近な時代になりました。テキストや画像、動画までもがAIによって作ることができるようになり、さまざまな業界においてAIをどう使うかが話題になっています。
この記事では、生成AIがどのように進化してきたのかを整理しつつ、ゲーム広告クリエイティブにおいてAIとどう向き合うべきか、Mr.GAMEHITとしての見解などをお伝えします。
AI(人工知能)研究の歴史

AI(人工知能)に対する研究は1950年代から行われており、二度のブームを経て、現在は第三次ブームとしてAIへの注目が高まっています。
AIの基盤技術となるニューラルネットワーク(人間の脳の動きを模した計算モデル)については80年代にすでに構想は存在していたものの、技術が追いついておらず、それがこれまでのAIブームの終焉を招いたとも言われています。
近年、インターネットやPCなどの技術の進化がやっとAIに追いつき、空前のAIブームとも呼ばれる時代が来ています。
ChatGPTの登場
2022年11月、アメリカのOpenAI社がリリースした『ChatGPT』は大きな話題となり、生成AIが一気に浸透するきっかけとなりました。老若男女が日常的に使われるほどになったのは今や「チャッピー」という愛称で呼ばれるほど親しみ深い存在になったChatGPTの功績と言っても過言ではないでしょう。
生成できるものも、最初はテキストだけでしたが、音声、静止画や動画などさまざまなものを作り出せるよう進化しています。
一方、日本のアニメーションそっくりの画像や動画が作られるなどして、生成AIにおける著作権や倫理の問題がさらに強く問われるようになっています。
続々登場する生成AI
ChatGPTの登場以降、Microsoft社のCopilotや、Google社のGemini、Anthropic社のClaudeなどをはじめ、他にもさまざまな生成AIが登場しています。
単独の生成AIツールだけでなく、IllustratorやPhotoshopで知られるAdobeがこれらのソフト内にAI機能を組み込むなど、すでに存在するソフトやツール内で生成AIを使うことができるようにもなりました。
Soraの衝撃
2024年12月にChatGPT Plusなどの有料プランユーザー向けに「Sora」の一般提供が開始されました。Sora2は2025年9月に公開され、当初は招待コードが必要でしたが、現在はコードなしで、PCでもスマホでも使うことができます。
Soraから一年も経っていないのに、大きく進化したSora2への驚きはSNSや各種メディアでも大きく取り上げられました。
動画生成AIツールも続々登場
OpenAI社のSoraシリーズだけではなく、他の有力な動画生成AIも急速に進化を遂げており、ハイエンドな映像制作向けから日常的なSNS投稿向けまで、用途やスキルに合わせた多種多様なツールが登場しています。
動画生成AIの先駆者とも言えるRunway社の「Gen」シリーズは、映像のコントロール性が高く、以前から多くのクリエイターに支持されてきました。また、Luma AI社の「Dream Machine」は、物理法則を理解したかのようなリアリティのある動きと生成スピードの速さで注目を集めています。
Googleは高解像度動画生成モデル「Veo」を発表し、YouTubeショートなどの動画制作機能への統合を進めています。デザインツールのCanvaも「Magic Media」として動画生成機能を強化しており、専門的な技術を持たない層でも手軽に素材を作成することができます。
生成AIの魅力と問題点
テキストを入れるだけでリアルな動画をあっという間に生成できるのはとても魅力的です。以前は不自然な箇所が目立ちましたが、かなり自然な動画を作ることができるようになってきているのも魅力の一つでしょう。
一方、長尺の動画を作ることが難しく、プロンプトを工夫しなければ思った通りの動画を作れないといった問題もあります。
また、先にも述べましたが、著作権の問題も無視できません。
文化庁はAIと著作権についてさまざまな情報を提供しており、「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」なども公開しています。
Mr.GAMEHITの見解
ゲーム広告クリエイティブにおいては、「実際のゲームプレイ画面」がいかに魅力的であるかをユーザーに伝えることが最も重要です。そのため、ゼロから架空の映像を作り出す生成AIと、実際のプロダクトの魅力を最大化する我々の仕事は、現時点ではアプローチの起点が異なると考えています。
何より、ゲームは人間が楽しむものです。 プレイした時の指先の感覚、爽快感、悔しさ、没入感といった「身体感覚」や「心の機微」を理解し、それを映像として表現するのは、まだAIには難しい領域ではないでしょうか。
私たちはこれからも、人間ならではの感性を大切にし、プレイヤーの心に深く響くゲーム広告動画を作り続けていきます。ゲーム広告のクリエイティブに関するお悩みをお持ちの方はぜひご相談ください。
また、よく「AIはクリエイターの仕事を奪う」と言われますが、クリエイター自身が主体性を持ってAIを「使う側」に回ることで、新たな可能性が開けると考えています。
もちろん、そのためにはクリエイターが最も懸念している著作権の保護や、学習データの透明性といった権利面の問題が、法整備も含めて健全に解決されることが大前提です。クリエイターの努力や権利が正当に守られ、誰もが安心して技術を享受できる環境が整えば、AIはお互いに高め合える強力なパートナーになれるのではないかと期待しています。
