こんにちは、KASMARIOです。
今回は、ドラマ『アトムの童(あとむのこ)』に登場するゲーム『アトムワールド(AtomWorld)』をMr.GAMEHITのクリエイターがクリエイター目線で分析し、ドラマや映画内でゲームをどのように見せれば魅力が伝わるのか、ということについてディスカッションしてみました。
TBS日曜劇場で放映されているドラマ『アトムの童』は山崎賢人さん演じる天才ゲーム開発者がさまざまな困難を乗り越えていくストーリーで、劇中で実在するインディーゲーム『Downwell』が登場したことでも話題になりました。
『Downwell』については実際にプレイした感想記事もあるので、こちらもご一読ください。
『Downwell』は実際にあるインディーゲームであり、ドラマ内では主人公たちがかつて作った伝説のゲームという位置付けでしたが、ドラマ内に出てくるゲームはもう一つあります。それが『アトムワールド』です。
目次
『アトムワールド(AtomWorld)』って?
ドラマ『アトムの童』劇中で、アトム玩具が新しく手がけるのが『アトムワールド』であり、ゲッチャリロボというロボットを動かすゲームです。ドラマの中では下記のような特徴が語られていました。
- キャラを動かすのではなく、ステージを操作してキャラを目的地まで運ぶゲームである(例えばキャラの好物を置くなどして移動を促す)
- ロボたちは『働きアリ』のような存在
- 舞台は宇宙
- ゲッチャリロボは巨大化したりもする
ゲーム画面が出てくるシーンもあり、小さなロボたちがわらわらと動く様は可愛らしいのですが、劇中ではあまり詳しい描写がなく、どういったゲームなのかいまいちわかりにくいところもあります。
ドラマ内でのゲーム画面登場シーンはわずか1分!
ドラマはゲーム開発者たちの絆と、大手ゲーム会社の悪徳社長との戦いを軸に進んでいくので、ゲーム自体の登場シーンはそう多くはありません。『アトムワールド』のゲーム画面が劇中で登場するシーンは3話までの中で、わずか1分程度。背景になんとなく写っている、というシーンをあわせても3分にも届きません。
Mr.GAMEHITのクリエイターたちにゲーム画面が登場するシーンを見せたところ、「背景を知っていれば伝わるだろうけど、この見せ方だけを切り取って見ると、どういうゲームなのかわかりにくい」「ゲーム自体の魅力は伝わり切らない印象」という声が多く聞かれました。
ドラマにおいてはアトム玩具メンバーの絆や、サガスとの戦いを中心に見せたいところでしょうから、ゲーム自体はあまり重要視されていない印象です。短い時間でゲームの概要や魅力を伝えるのはなかなか難しいのかもしれませんが、肝心の『アトムワールド』の魅力がしっかり伝わらないのは残念な気もしますね。
Mr.GAMEHITクリエイターが分析してみた
正直、劇中で細切れに登場するゲーム画面のみで『アトムワールド』を分析するのは難しいのですが、では同じくらいの短い時間であっても、『アトムワールド』をもっと魅力的なゲームとして伝える方法にはどのようなものがあるか、クリエイター同士でディスカッションしました。
まず、ドラマ内においてゲームの魅力が伝わりづらくなっている理由については下記のような意見が出ました。
キャラクターが大きくなる場面を印象的に見せているけど、単にキャラクターが大きくなるだけというシーンにはゲームとしての必然性がない
プレイした時にどういうアクションができて、どういった目的に向かっているのかを見せることが必要
ゲームの画面はなんとなく見せているけど、ゲームをしているところをあまり見せていないね
これを踏まえ、下記の2点について話し合ってみました。
- 短い時間でゲームの魅力を伝えるには?
- Mr.GAMEHITなら動画広告をこう作る、ドラマ内でこう見せる
ドラマ内では、キャラクターが大きくなって障害物を取り除く、という動きは見せられているものの、それによって何ができるのかが明確ではありません。
ゴールが明確じゃないと伝わりづらいから、ゴールを明確に見せてあげるとよくなると思う
例えば、数字が見えることで「今、これだけ陣地が広がってる」とか「この地点まで来てる」とかがわかるとゲームの目的が見えやすいし、どんなゲームかイメージできるよね
大きくなる!だけじゃなくて、キャラクターが具体的にどういうアクションをするのかを見せるのもいいと思う
アクションや明確なゴールを見せた上で、どういうルートを通るかはプレイヤー次第ですよ、と伝えるだけでぐっと魅力的に見えると思うね
ゲームを実際にプレイしてみないと動画広告のアイディアまでは落とし込めないけど、キャラクターのビジュアルの全貌や役割、ストーリーや世界観にどう絡んでくるのか、は見せたい
例えば、小さいロボが大量に出てくるシーンはただ出てくるんじゃなくて、大きいロボットがバトルした結果壊れて、部品がちらばったのを小さいロボが直してくれる、というような場面を見せられると愛着がわくと思うな
ディスカッションを進めて行く中で、ゲームを面白く見せている映像作品にはどんなものがある?という話に。
ゲームの面白さとドラマの面白さを両立した作品と言えば、『シュガーラッシュ』が思い浮かぶんだけど、ゲームを題材にしたドラマがあれくらいゲームの見せ方にこだわってくれると嬉しいよね
『ピクセル』も2Dのレトロゲームを3Dで見せるという試みでかなり話題になった作品だったと記憶してる
『ピクセル』はエンドロールが映画のシーンを2Dレトロゲーム風にした映像で、ゲームとして映画のストーリーを追体験できる面白さもあったね
ゲームを魅力的に描いている作品
ここで、ゲームを魅力的に描いており、ドラマとも両立させている作品としてディスカッションで名が上がった『シュガーラッシュ』と『ピクセル』についても簡単に解説しておきます。
30秒でゲームの魅力が伝わる『シュガーラッシュ』
よく、最初の5〜10分で面白さが伝わるのが名作の条件と言われますが、この作品は冒頭の1分22秒ほどのゲーム画面の映像で、主人公の自己紹介とゲームの内容をわかりやすく説明する手腕がさすが!
- キャラクターの役割
- ゲームの目的
- ゲームシステム
が一目でわかります。ゲームの内容自体の説明は30秒程度ですが、これらをすぐに理解して世界に入り込めるつくりになっています。
主人公が実際に住んでいるゲームの中の世界は最初のゲーム説明の後に見せる流れとなっていますが、主人公が行くバーはそれとは逆に、店舗の様子を見せてからゲーム画面を見せる流れになっており、ゲームの背景を知らずに見る場合と、背景を知ってからゲームを見る場合と、二つの見せ方のパターンが楽しめます。
シュガーラッシュのゲーム画面の見せ方はとにかく初見にもわかりやすく面白さが伝わるのが特徴。
映画自体もハートフルなストーリー。未見の方はぜひご覧になってください。
背景があるから楽しめる。ストーリーの追体験も楽しい『ピクセル』
レトロゲームが3Dになって現実世界に現れるという内容の映画です。かつてのゲームチャンピオンである主人公たちが宇宙人の刺客であるゲームキャラクターと戦います。
パックマンの生みの親である岩谷教授(演じるのは岩谷教授そっくりの俳優ですが、ご本人も別のところでカメオ出演なさっています)が登場するなど、かつてのプレイヤーたちが喜ぶような仕掛けがたくさん。
シュガーラッシュと異なり、こちらで出てくるゲーム画面はゲームの説明用ではない印象です。ストーリー的にも「パックマンだな」「ドンキーコングだな」ということだけが観客に伝わればよいですし、(誰もが知っているレトロゲームだからこそ)あえて説明はしていないのでしょう。実際のゲーム性はその後の3D描写でわかるように構成されています。
この映画は、岩谷氏の出演など、むしろマニアであればマニアであるほど楽しめる作りになっています。初見でも楽しめますが、背景があればより楽しめる映画の見本ですね。
2Dのゲームが現実世界に現れたらこう見える、という3D描写や、ゲームオブスローンズのティリオン役で大人気となった俳優ピーター・ディンクレイジの演技も見どころです。
ゲームだけでなく音楽なども80年代の雰囲気を存分に味わえますよ。
ディスカッションでも話している通り、エンドロールが劇中のシーンをレトロゲーム風の映像にしたものなので「あ、あのシーンだな」とストーリーを追体験できるのも見どころのひとつなので、エンドロールもじっくりお楽しみください。
まとめ
実際にプレイできない架空のゲームを題材にどう見せるかをディスカッションするというのは、なかなか難しい部分もありましたが、短い時間でゲームを魅力的に見せるためにできること、についてはさまざまな意見が出ました。
ドラマを見ているクリエイターと見ていないクリエイターの間で出る意見も、背景を知っているかいないかで見え方が違うという意見の裏付けになりましたし、「SNSで作っている過程を見せながらプロモーションすればバズりそうなのに…」という、ドラマの登場人物たちに伝えてあげたかった意見も。
本来、Mr.GAMEHITがゲームの広告動画を作成する際には、ゲームをしっかりプレイした上で分析して、世界観とキャラクター、戦闘システムといった項目それぞれの類似タイトルとの共通点や推しポイントを細かく言語化することから始めます。
ゲームの魅力や訴求ポイントを的確におさえた広告動画の作成と広告運用は得意技ですので、ゲームの動画広告に関してお悩みをお持ちなら、ぜひ一度お問合せください。