ROASときいて皆さんはピンとくるでしょうか?少しでも広告に携わったことのある方なら、1度は目にしたことがある用語だと思います。しかし、「ROASってどんなもの?」「他と比べて何がメリット?」と質問されて答えることはできるでしょうか?
今回は、ROASを完全理解するための基礎知識をおさらいしたいと思います。また、ゲーム事業におけるROASの重要性についてもお伝えします!
目次
ROASとは?
ROASはカタカナ表記すると「ロアス」と読みます。正式には「Return On Advertising Spend」と表記されるもので、「広告の費用対効果」と和訳することができます。
広告費に対してどれだけ売上があったかを算出する指標です。
インターネット広告の発展により計測しやすくなったROAS
ROASは「各メディア媒体や広告を経由した売上」をもとに算出します。商品全体の売上や広告全体の売上ではない、ということが注意すべき点です。
テレビCMや街頭に掲示されている広告や公共交通機関の広告では、正確に把握することは難しいかもしれません。
しかし、2019年を境にWeb広告費はテレビメディアの広告費を上回り、株式会社電通が発表した「2021年 日本の広告費」によると、既にマスコミ四媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の広告費を超えたことがわかっています。現在の主流であるWeb上の広告であれば、広告を経由している売上なのかどうかを比較的簡単に調べることができるでしょう。
ROASの計算式
それでは、ROASを算出する計算式をご説明します。
「広告からの売上÷広告費×100%」
こちらが公式です。
例えば広告からの売上が200万円で広告費が100万円であったとすると、
200(万)÷100(万)×100%=200 (ROASが200%の意)
というようになります。
ROASの数値は100%を基準に広告費の回収率を示していますので、先の例ですと「広告費1円に対して2円の売上がある」ことがわかります。
広告からの売上が200万円で広告費が250万円であった場合はどうなるでしょうか?
200(万)÷250(万)×100%=80 (ROASが80%の意)
こちらでは「広告費1円に対して0.8円の売上がある」という結果です。言い換えると「1円払っても0.8円しか戻ってこない=損失」ということです。
さらに、算出したROASを使って広告経由の売上や広告費を予測することもできます。
- 広告経由の売上を調べたいのであれば「広告費×ROAS÷100%」
- 広告費を調べたいのであれば「広告経由の売上÷ROAS÷100%」
これらの式にあてはめることで予測が可能です。
ROASを活用するにあたって注意すべき点
ROASの数値は100%を基準にしていますが、100%を上回っても「利益」があるというわけではありません。なぜなら、売上から原価を差し引いた「粗利」を考慮する必要があるからです。広告費と単価の売上だけにとらわれず、粗利も踏まえて見通しをたてるように留意しましょう。
こちらについてはMr.GAMEHITの公式資料より、概念図をご紹介いたします。
「適切にROASを活用する」とはどういうことか、ぜひご覧ください!
その他の指標(CPI、CPA、ROI)
アプリの広告においてよく使われる指標に「CPI」が、また、ROASと混同されやすい指標として「CPA」や「ROI」があります。それぞれの概要を紹介していきます。
CPI
CPIは「Cost Per Install」の略語です。広告媒体を経由してアプリをインストールした時のコストを表しています。ちなみに、CPI広告というのは、アプリのインストールに応じて収益が発生する広告商品を表しています。
CPIはアプリを新規インストールしてもらうためにかかったコストを獲得したユーザー数で割ることで算出できます。
「獲得コスト÷インストール数」
こちらで算出することができます。
使い勝手の良い指標のように思いますが、「ユーザーがインストールした後の動向」を知りたいのであれば、他の指標を使う必要があります。アプリをプレイしたのかどうかの情報は担保されないことを覚えておきましょう。
企業がインストール数を増やすことに注力していた時代はCPIがよく用いられていましたが、中長期的にはユーザーに課金をしてもらうことが必要不可欠です。そのため、ROASを重視した方がよいとMr.GAMEHITは考えています。
CPA
CPAは「Cost Per Acquisition」の略語です。コンバージョン(収益につながる商品やサービスの成果)を1件獲得するために、広告費がいくらかかったのかを算出できるものです。
「広告費用÷コンバージョン数」
こちらで算出することができます。
「算出された数値が高い=1件のコンバージョンを得るための費用が高くなる」と考えますので、数値が低いほど広告効果が高いことを示します。もし複数の広告を運用している場合は、より広告効果の高いものを選択したいですね。
ROI
ROIとは「Return On Investment」の略語です。ROASと同じように費用対効果を知ることができる指標です。
「利益額÷広告費×100%」
こちらで算出することができます。
ROASとの違いは「売上高」ではなく「利益高」を基準にしている点です。
利益に基づいて費用対効果を算出することはできますが、「その時点における利益」を見ているため、どちらかというと短期的な見通しで活用する指標になりそうです。
また、ROIは割合で算出されることに注意が必要です。広告への投資額が少ない場合はROIが高かったとしても実際の利益額は少ない可能性もあります。
ゲーム事業の広告運用でROASはなぜ必要か?
ROASが広告運用の成果を判断する指標のひとつ、とご紹介していますが、ゲーム事業におけるROASを活用するメリットはどこにあるのでしょうか?広告運用の必要性とともにご説明します。
広告運用とは
広告運用で必要な検討事項は次の3点です。
- いつ、どこで、誰に、どのような広告を活用するか
- 使用した広告に効果があったのか
- 広告の効果を高める改善点を検討する
広告をより効果的に利用し自社のサービスを購入してもらうためには、「広告を掲載した後はそのまま放置」では意味がありません。広告が売上に貢献するような運用を検討していきましょう。
ゲーム事業におけるROASのメリット
ゲーム事業においてROASをお勧めしている理由は、「広告経由の売上」を可視化することで、費用対効果の高い広告を判断しやすい指標であると考えるからです。計算式に用いるためのデータを集めやすい、というのも使いやすさを後押ししています。
Mr.GAMEHITでは、インストールして終わりではなく継続してゲームをプレイしてくれる良質なユーザーの獲得を目指して広告運用を行っています。
売上に継続して貢献してくれる良質なユーザーが多ければ多いほどROASの数値は良くなっていきます。
Mr.GAMEHITがROASを重視する理由についてはこちらの記事も参考になりますので、ぜひご一読ください。
ROASを算出すれば広告費1円あたりの売上額を把握できるため、広告費の回収率もわかります。もしROASが低い広告であっても、費用対効果を高めるための改善を行うといった判断ができます。
続いて、ROASを活用するためにどのような施策ができるのかを見ていきましょう。
ROASをより効果的に活用するには
まず1点目は「出向先となる媒体を見直す」です。
ROASを算出した上でより数値の良い媒体を選択することをお勧めします。
2点目は「広告内容の見直し」です。
ROASが低い場合、1点目のように媒体自体を見直すことも良いのですが、広告内容(キーワードやクリエイティブ)を見直すことで、ROASの数値の向上が見込めるかもしれません。
ROASは広告の費用対効果を測る重要な指標ですが、「どう活用するか」は運用次第です。もし外注を検討しているのであれば、より効果的な広告運用を考えてくれる代理店や担当者を見つけることが重要です。
ROIよりもROASを選ぶ理由とは?
先にご説明した指標の中で、ROASと同じように費用対効果を算出できるROIがありました。「利益のROI」ではなく「売上のROAS」を選ぶ理由をご説明します。
Mr.GAMEHITでは
- ROI=利益を元にして、事業の方向性を確かめられるもの
- ROAS=売上への効果が素早くわかるもの
と考えます。
ROIはどちらかというと「広告がうまくいっているか」ではなく「事業そのものがうまくいっているかどうか」で見る場合が多いため、「広告の成果」に焦点を絞って考えると、ROASの方が把握しやすいと言えるでしょう。
まとめ
ROASは「広告の費用対効果」を算出できる指標です。
広告を経由したゲームの売上を知ることができますので、より売上アップに効果的な広告に予算を投入するのか、もしくは広告媒体の広告内容の見直しをはかる必要があるのか、といった判断材料として活用することができます。
広告は「配信したから終わり」ではなく、その先の運用次第で成果も変わってきます。
各社の戦略により広告費は異なりますが、「どの広告が実際の売上に繋がっているか」を把握しておくことが、マーケティングとしても重要です。
AI時代の広告運用には「思わずプレイしたくなる動画広告」で「良質なユーザーを獲得すること」が必要不可欠です。また、良質なユーザー獲得にはROASも考えた運用が非常に重要となります。
メンバー全員がゲーマーであり、ユーザーの気持ちを熟知している「Mr.GAMEHIT」は、ゲームに特化した動画広告制作と広告運用をおこなっております。ゲームのプロモーションならお任せください。