デジタルネイティブでありソーシャルネイティブであるZ世代への注目が近年高まっています。Z世代へのマーケティングにお困りのマーケティング担当者さまも多いのではないのでしょうか。
今回はZ世代の定義や特徴をはじめ、Z世代はどのような時に購買や紹介に至るのか、Z世代が好む動画づくりなどについて解説していきます。
目次
Z世代の定義
Z世代とは
近年話題になるZ世代(英語ではgeneration Z)とは、X世代、Y世代に続く世代のことであり、1990年代中盤から2000年代終盤までに生まれた世代のことを言い、「ポストミレニアル世代」と呼ばれることもあります。
2022年現在、Z世代の最年長は20代半ばを過ぎており、最年少は10代前半です。
Z世代へとつながる前世代「X世代」と「Y世代」
X世代は1960年代中盤から1980年代序盤までに生まれた世代を指し、Y世代とは1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代です。Y世代は史上初めてのデジタルネイティブ世代であり「ミレニアル世代」「ゆとり世代」とも呼ばれている世代なので、こちらの名称なら聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
Z世代はこのX世代、Y世代に続く世代であることから「Z」の名称がついています。
今なぜZ世代に注目が集まっているのか?
2020年に入り、Z世代が続々と成人しており、消費の主役となったZ世代が社会への影響を強めつつあります。2031年までにはZ世代の収入が世界の4分の1以上を占め、購買力がミレニアル世代を上回るという予測も。
Z世代は子供の頃からソーシャルメディアに親しんできたソーシャルネイティブ世代であり、これまでのマーケティングが通用しない層だとも言われています。そのため、これからの消費の主役となる世代へのマーケティングの勝ちパターンをさまざまな企業が模索しているのです。
次の項ではZ世代の特徴について詳しく解説していきます。
Z世代の特徴
Z世代にはどのような特徴や傾向があるのでしょうか。前述したとおり、Z世代はソーシャルネイティブです。子供の頃からソーシャルメディアに慣れ親しんでおり、スマホによって他者と緊密な関係を築くことに長けています。
Z世代の主な特徴
Z世代の特徴としては、下記のようなものが挙げられます。
- 自分の価値観を大切にする
- 多様性を認め、男女平等の意識が高い
- 社会問題や環境問題への意識が高め
- SNSによって行動を起こす
- SNSにおける承認欲求が強い
- 他者からの評価や他人の動向を気にする
- 悪目立ちはしたくないと考える
- 人間関係を重視する
コミュニケーションツールがメールからSNSへと移行し、コミュニケーションは1対1のものよりも複数人のグループコミュニケーションが主流となりました。Z世代はSNSにおいて複数アカウントを使い分け、多様な世界の中で居心地のよい場所を常に探している、という調査データもあります。
SNSはZ世代を知るキーワード
Z世代を知る上で欠かせないのがSNSです。Z世代はモノの所有にあまり興味がなく、他人が羨ましがるネタや写真を「シェア」することを好みます。旅行やイベント、食事は写真を撮るためのいわゆる「インスタ消費」というのもZ世代の大きな特徴でしょう。
消費行動については後ほど詳しく解説しますが、Z世代の特徴や行動にはSNSが深い関わりを持っています。
日本のZ世代の傾向は?
日本のZ世代は、衰退している日本経済の影響から、常に将来への不安を抱えているため、経済的な安定を求める傾向にありますが、単に高収入や出世を求めるというよりは精神的な価値を重視するようです。
他の世代に比べてZ世代においては就職先として「安定した会社」が「やりたいことができる会社」と同じくらい人気を集めるのだとか。
また、ゆとり世代である前の世代、Y世代(ミレニアル世代)に対して、自分たちがゆとり世代でないことに誇りを持っている、というのも日本のZ世代の特徴であると言われています。
Z世代はこれからの市場を牽引していく存在である
すでに述べたとおり、2031年までに世界の4分の1以上の収入を占めるZ世代はこれからの消費を支えていく存在です。今後のマーケティングはZ世代の消費行動を念頭において進めていく必要があります。
SNSに子供の頃から慣れ親しんでいたZ世代にはインフルエンサーも多く登場しており、Z世代はその高い情報発信力をもって今後の市場を牽引していくと考えられます。
次の項ではZ世代の消費行動について理解を深めていきましょう。
Z世代の消費行動
Z世代が好む「コト消費」「トキ消費」とは?
幼い頃からスマートフォンに慣れ親しみ、SNSを使いこなすソーシャルネイティブ「Z世代」。バーチャルな世界で生きているかと思いきや、意外と地に足のついた考えを持つのもこの世代の特徴です。買い物はコストパフォーマンスを重視し、モノを所有することよりも体験、いわゆる「コト消費」を好みます。
「モノ消費」よりも「コト消費」を好むのはY世代(ミレニアル世代、ゆとり世代)にも見られた特徴ですが、Z世代はさらに「トキ消費」を好むというデータがあります。
「トキ消費」とは博報堂生活総合研究所が2017年から提唱している「モノ消費」「コト消費」に続く消費潮流のことであり、参加することに価値を見出すことを言います。
「モノ消費」が「所有に価値を見出すこと」なら、「コト消費」は「体験することに価値を見出すこと」であり、「トキ消費」は「人と一緒に参加することに価値を見出すこと」です。イベントなどでその時にしか味わえない瞬間を楽しむ「トキ消費」の具体例としては、近年流行を見せた映画の応援上映や、クラウドファンディングなどが挙げられます。「トキ消費」と言ってもデジタルネイティブらしく、Z世代は必ずしも対面で人と会うことを必要としません。
現在、オンラインゲームの多くが国や地域を問わずさまざまな人と一緒にプレイできるようになっていますが、こういったゲームでプレーヤー同士がつながるのも「トキ消費」であり、Z世代のゲーム体験の特徴でしょう。
Z世代が「購買」「紹介」するタイミングとは
日本のZ世代が経済的な安定を望む傾向にあるのは前述したとおりですが、所有に興味のないZ世代はブランド物にもあまり価値を見出さない傾向にあり、世界的に見ても節約志向にあると言われています。
Z世代は自分の価値観を大切にするため、自分にとって価値があり、コストパフォーマンスがよいと考えれば購買に至ります。ブランド物を所有することには興味がありませんが、共感できるブランドと絆を作ることには好意的です。
Z世代には同世代のインフルエンサーが多いため、俳優やモデルを起用したCMで売りつけられることは好みません。
Z世代の購買を促すためのポイント
Z世代に購買を促したいなら、企業はまず、ブランドの本質、ストーリーや理念などを確立する必要があります。また、ブランドや商品を見てもらえたとしてもそれだけでは価値を感じてもらうことは難しく、購買をすすめるよりもZ世代の消費者とは絆を深めることが重要です。
Z世代は学習意欲が高く、ハウツー動画を好むことがよく知られていますが、ハウツー動画やS N Sの画像などを継続的にアップすることがブランドや商品の認知・エンゲージメントにつながります。
Z世代が「購買」するタイミングとは
Z世代は多くの情報からブランドと絆を結び、商品に価値を感じた時に購買へと至りますが、その際に「購買」は手軽であり、かつリスクの低いものである必要があります。
すでに述べたとおり、Z世代はコストパフォーマンスを重視するため、商品の購入と返品をできるだけシンプルにすることでリピート率も上がるのだとか。
2018年の調査では、Z世代が購買を決定する要因として家族や友人など、身近なインフルエンサーと言える人の影響が最も大きく、そのほかには企業のプラットフォームやS N S、インターネット上のインフルエンサーたちの影響も強いという結果が出たのだとか。
Z世代が「紹介」するタイミングとは
ソーシャルネイティブであるZ世代は、「体験」や「購買」をSNSでシェアすることが多く、購買した際にシェアしてもらえる確率は他の年代に比べて高いと思われます。Z世代の特徴として、購買や体験をしていなくても「この商品かっこいい」「この場所に行ってみたい」などの意見をシェアする傾向が見られています。
上質なコンテンツを提供し続けることによってZ世代がブランドや商品を「紹介」してくれるというのは企業にとっても嬉しいことですよね。例えばメイクのハウツー動画をシェアしてもらうことがそのまま商品のPRになるというような事例はすでに多くの企業が行っており、効果を上げています。
今後の市場はどうなっていく?
Z世代の最年少は2022年現在まだ10代前半です。2031年には世界の年収の4分の1を占めるZ世代が市場を牽引していく時代はこれからさらに隆盛を極めていくと予想されます。
多くの情報から本質を見抜く能力を持ち、かつ堅実な考えを持つZ世代は、オンラインとリアル両方をうまく使い分け、さまざまなイノベーションを起こしていく世代であるとも言われています。
常に新しい体験を求めるZ世代に牽引され、今後はさらに新しいモノやコト、トキが多くの市場で生まれていくことでしょう。
Z世代が好む動画づくりとは?
Z世代は他の世代に比べて動画へのエンゲージメントが高いと言われています。動画であるだけで静止画より興味を持ってもらいやすい世代だと言えます。
加えて、Z世代は常に新しい体験を共有することを求めており、学習意欲も旺盛であるため、ハウツー動画はZ世代に人気の動画ジャンルの一つです。
Z世代向けの動画にはスピード感、テンポ感も重要です。Z世代は購入に時間がかかるサイトから離脱する傾向が他の世代に比べて顕著であると言われています。
映画などを倍速で見る若者が増えていることがSNSで話題になったのも記憶に新しいところ。多くの情報を効率よく収集したいZ世代は情報収集にもコストパフォーマンスを求めるため、テンポ感を重視した動画づくりを行う必要があります。
Mr.GAMEHITが考えるZ世代向け動画広告とは
現在、動画はほとんどがスマートフォンで視聴されています。スマホの登場と高速インターネットの普及により視聴環境にも変化が起き、通勤時の電車やバスルームなどさまざまな場所で視聴できるようになりました。
そのため、動画広告を作成する際には「スマホでの視聴を前提とすること」「視聴環境を考慮すること」が大前提となります。PCやテレビ画面よりも小さいスマホのサイズに合わせて、画像の見せたい部分や文字を大きくすることや、移動時間やすきま時間の視聴を考慮してスピーディーにゲームの良さを伝えていくことは、年代問わず基本中の基本です。
加えて、Z世代にアピールしたいならテンポとストーリー構成が非常に重要です。
ネイティブであるがゆえにスマホによる情報処理の速度がおそらく他の年代よりも速いZ世代は、導入から始まって段々盛り上がりを見せる従来のストーリー構成では満足できません。そのため、最近の動画は山場からスタートし、予想外の展開と複数の山場を見せた後にもっと見たいユーザー向けのストーリーを続ける、という流れが一般的になっています。
動画広告においても、山場からスタートし、一つの訴求ポイントを明確にした内容を作り込むことで、Z世代にさらに受け入れられやすい広告が生まれます。
自分に関係があるものでなければ広告に反応を見せない、というのは全世代共通の反応ですが、自分の価値観を大切にするZ世代には特にターゲットに寄り添ったクリエイティブが重要となります。
Mr.GAMEHITは精鋭ゲーマーが制作を担当するため、ゲーム好きの気持ちを熟知した広告作成が可能。もちろん、Z世代にもしっかり刺さる動画広告を作ることができます。
α(アルファ)世代とは?
『Z世代』は多くのメディアに取り上げられ、今や一般的に使われる言葉となりつつありますが、最近ちらほら取り上げられる『α世代』についても簡単に解説しておきます。
α世代はZ世代の次の世代である2010年代から2020年代に生まれる世代とされていますが、その定義はまだはっきりとはしておらず、言葉自体も普及しているとは言い難い状況です。ちなみに、α世代の次を指すβ世代という言葉もすでにあるようです。
まとめ
これからの市場を担うZ世代をターゲットとしたマーケティングは非常に重要ですが、Z世代にはこれまでのマーケティング戦略が通用しないという特徴があります。デジタルネイティブであり、かつ初のソーシャルネイティブ世代がZ世代であるため、自分が若い頃にSNSに親しんでいない層には理解が難しい層だと言えるでしょう。
Z世代を知るキーワードである「SNS」や「トキ消費」を理解し、この記事の内容をぜひ今後のマーケティング戦略に活かしていってください。
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