DSPをゲーム広告に活用する際の注意点、向いているゲームと向いていないゲームとは | ゲームの動画制作・広告運用「Mr.GAMEHIT」ブログ
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DSPをゲーム広告に活用する際の注意点、向いているゲームと向いていないゲームとは

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佐藤 昭博

1990年代にバナー広告やメール広告から始まったと言われる日本のインターネット広告は、その後、成果報酬型のアフィリエイト広告、検索連動型のリスティング広告を経て、コンテンツ連動型の広告や興味関心連動型広告など、よりユーザーにマッチした広告を提供する方向へと進化してきました。

2000年代に入ると、ユーザーの行動履歴をもとにターゲティングを行う手法、行動ターゲティングも一般的になってきます。

それまで主流だったテレビCMや新聞・雑誌広告、交通広告といったオフライン広告よりも安価で、ユーザーが申し込みや問い合わせ、購入するという行動=成果を数値で表すことのできるインターネット広告は瞬く間に普及し、インターネット広告費によって広告市場自体の成長にもつながりました。

ポータルサイトのバナーやメールの広告掲載枠、検索サイトの検索結果だけではなく、現在はさまざまなWebサイトやSNS、アプリなどにも広告が掲載されるようになっています。その分、インターネット広告は以前よりもずいぶん複雑なものとなりました。多数ある広告枠それぞれに対して契約や入札などを進めていては、管理も煩雑になってしまいます。

そんな中、インターネット広告をよりシンプルに管理するツールとして近年普及し始めたのが、今回解説するDSPです。『DSP』とは『Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)』の略であり、広告媒体のプラットフォームであるSSPと連携することで複数の媒体と広告を一括管理することができるプラットフォームです。

この記事ではDSPの基礎知識とメリットデメリットだけでなく、ゲーム広告においてDSPが適している場合と適していない場合についても解説していきます。

DSPって何?

冒頭でも少し解説しましたが、DSPとは『Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)』の頭文字をとった言葉で、複数の広告入札を一括管理することができる自動最適化プラットフォームです。特定のターゲットに対して複数の広告枠を入札することができるため、費用対効果が高いとされ、近年多くのDSPサービスが生まれています。

DSPは単独では機能せず、必ずSSPとの連携が必要になるため、最近のDSPにはSSPを内包しているものも多く存在します。

SSPとは『Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)』の頭文字をとった言葉です。DSPがDemand Side(需要側)のプラットフォームであるのに対してSSPはSupply Side(供給側)のプラットフォームであり、広告の需要側と供給側の連携によって広告が配信されます。

DSPによる広告配信の仕組み

前述したようにDSPはSSPとの連携で広告を配信できる仕組みになっていますが、簡単に説明すると、このような仕組みとなります。

  1. ユーザーが広告掲載サイトにやってきます。
  2. DSPはSSPに対してユーザーの行動履歴や性別年代などをもとに広告表示をリクエストします。
  3. SSPはそれぞれのDSPに対して広告枠への入札をリクエストします。
  4. 各DSPからの入札情報がSSPに送られます。
  5. オークションの結果、落札したDSPの広告が広告掲載サイトに配信されます。

アドネットワークとの違い

複数の媒体に複数の広告を配信できるといえばアドネットワークをイメージする方も多いのではないでしょうか。アドネットワークとは、たくさんの広告媒体がひとつのパッケージになっている広告配信ネットワークのことで、提携しているメディアやアプリに一括で広告が出稿できる仕組みを言います。

ただし、アドネットワークはネットワーク内の媒体にしか広告を配信できません。複数のアドネットワークに配信したい場合は、それぞれのアドネットワークに広告を配信する設定が必要となります。

DSPは複数のアドネットワーク内に広告を配信できるプラットフォームですので、アドネットワークとDSPは明らかに異なります。

DSPのメリット・デメリット

DSPがどんなものなのか理解できたところで、メリットとデメリットについても知っておきましょう。

DSPのメリット

DSPの大きなメリットとしては、まず各広告媒体への入札を一括で管理できることがあげられます。

近年、広告配信を行う企業が頭を悩ませるアドフラウド(広告詐欺の問題)にも対応しているのも嬉しいところ。多くのDSPにはアドフラウドツールが標準搭載されているため、不正クリックなどによる費用発生を抑えることが可能です。

DSPのデメリット

対して、DSPを活用することによるデメリットも存在します。

不正クリックなどの費用発生を抑えることができるDSPですが、DMP(※)利用料が発生することがあるため、通常のアドネットワークと比較すると広告コストが高くなってしまうことも。

また、ゲームにおいてはハイパーカジュアルゲームへの配信が多く、獲得したユーザーのLTV(※)が低い傾向があるのもデメリットの一つです。

※DMPとは?LTVとは?

DMPとは『Data Management Platform(データマネジメントプラットフォーム)』の略であり、ユーザーの情報やさまざまなデータを統合・管理するプラットフォームのことです。

LTVとは『Life Time Value(ライフタイムバリュー)』の略で、日本語では顧客生涯価値と訳されます。一人の顧客がサービスや商材を利用開始して利用を終了するまでの間にどれだけの利益が発生するかを表します。

ゲーム広告でDSPを配信した方がよいケースとは

DSPの配信に適したケースとしては下記のようなケースが挙げられます。

・LTVやROASよりも獲得数が重要で、とりあえずDL数を稼ぎたい場合。

・想定のプレイターゲット像が非常に狭い場合。(例えば、「ゲーム好き・30代・三国志好き」「ゲーム好き・10代・教育に関心が高い」など。)

ゲーム広告でDSPの広告配信が向いていないケースとは

Mr.GAMEHITでは、DSPの活用においてよく使われる指標『CPI』よりも、『ROAS』や『LTV』を重視した広告運用を行っています。

なぜなら、CPIのみを重視した運用では良質なユーザを獲得しづらく、結果、広告が成功しているとは言い難いからです。ただ、残念ながらCPIだけを見て広告戦略が成功していると錯覚してしまうゲームマーケティング担当者が非常に多いのが現状です。

DSPはCPIだけを見るとコスパがいい広告に見えるのですが、ROASやLTVなど長期的な視点から見ると、結果コスパが悪くなってしまうケースも多く、実際の運用においてそういったお悩みに関するご相談をいただくことも増えています。

ROASやLTVを重視するのであれば、多くのゲームはDSP以外の広告の方が適しているとMr.GAMEHITは考えています。

とはいえ、前述したようにDSPに向いているケースもあるので、どちらを活用したら良いか迷った時や、運用中のDSPが最適に活用できているのか知りたい場合は、一度Mr.GAMEHITにお問い合わせください。

まとめ

先日、弊社スタッフが国際的マーケティングカンファレンスであるアドテック東京に行ってきたとのことで、もらってきた資料を見せてもらったのですが、DSPサービスの資料も多く、非常に興味深かったです。(来年はアドテックなどのマーケティングイベントについてもレポートを作成したいと思っていますのでお楽しみに。)

スタッフから送られてきたアドテックの写真(入り口)

インターネット広告はより適切なターゲットに届けるため、さまざまなターゲティングができるように変化し続けています。複雑化するインターネット広告運用担当者の負担を減らすべく、さまざまなプラットフォームやツール、サービスが生まれており、DSPもその一つです。

便利なDSPですが、メリットもあればデメリットもあります。商材によって向き不向きがあるため、活用するには商材の適性を見極める必要があるのです。

Mr.GAMEHITはゲームに特化した動画広告の制作と運用を行うガチゲーマー集団です。最適なDSP活用方法のご提案をはじめ、ゲーム広告の成果改善を行っています。良質なユーザーを獲得したい方はお気軽にご相談ください。

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