インターネットが普及し、高速通信が一般的になった今では、スマホやPCなどで動画を楽しむことがすっかり日常生活の一部になりました。
かつては動画を用いた宣伝活動と言えばテレビや映画館、街頭に設置された屋外ビジョンなどでCMを流すことが一般的でしたが、最近ではSNSや動画アプリ、ゲームアプリなどでよく動画広告を見るようになったという方も多いのではないでしょうか。
最近の動画広告は実際にゲームをプレイできるものなどさまざまな工夫が凝らされており、筆者もついタップしてしまった経験があります。
今回は、動画マーケティングの基礎知識について解説していきます。
目次
動画マーケティングとは
動画を利用したマーケティングを動画マーケティングと言いますが、かつて効果測定が難しかったテレビCMと異なり、インターネットを利用した広告は効果を数値で確認し、分析から次の戦略へとつなげることができるのが大きな特徴です。
静止画やテキストだけでは伝えにくかった商品の魅力を視覚的に伝えることができるため、最近では多くの広告が動画へと移行しつつあります。これは、2031年には世界の年収の4分の1を占めると呼ばれるZ世代の影響もあると考えられます。
特にZ世代と呼ばれる世代は幼い頃からスマートフォンやソーシャルメディアに慣れ親しんできた世代であり、動画へのエンゲージメントが高い世代であると言われています。Z世代を取り込むためには動画を利用したマーケティングが必要不可欠です。
Z世代については下記の記事が参考になるので、こちらもぜひご一読ください。
動画マーケティングの定義
動画マーケティングとは動画を活用したマーケティングであることはすでに解説した通りですが、これをもう少し具体的に言うと「動画を用いて集客や宣伝活動、販売戦略などを行う手法」となります。
集客や宣伝活動には広告配信だけではなく、動画コンテンツの配信によって見込み客を増やす手法「コンテンツマーケティング」も含まれます。動画コンテンツの配信をInstagramやTikTokなどで行えば、SNSを利用したマーケティング手法「SNSマーケティング」も含まれることになります。
このように、動画をどこに配信するかによって他のマーケティング手法と組み合わせて活用し、相乗効果を狙うこともできるのです。
先述したとおり、インターネット広告は効果測定ができるのがそれまでの宣伝方法に比べて大きな特徴であり長所であるため、動画マーケティングにおける広告運用は、広告を流すだけでなくその後の効果を分析し、販売戦略につなげていくことが非常に重要です。
動画マーケティングの目的
動画マーケティングには大きく分けて3つの目的があります。
- 商品やサービスを知ってもらうこと
- 商品やサービスを買いたい、利用したいと思ってもらうこと
- 商品やサービスのブランディング
商品やサービスの認知度を上げ、購入・利用してもらうのは他のマーケティングと同じですが、動画は映像の動きに加えてBGMや声といった音の情報を追加できるため、視覚においても聴覚においてもこれまでの手法よりもブランドイメージを浸透させやすいため、ブランディングにも向いています。
動画マーケティングの基礎知識
動画マーケティングの歴史
近年一般的になったYouTubeなどの動画配信プラットフォームは登場してまだまだ日が浅いサービスですが、動画を利用したマーケティングの歴史は意外と古く、今も映画館ではお馴染みの上映前に流れるCMは、カラーテレビの普及以前である1950年代にはすでに存在していたのだとか。
CMとは違いますが、それより前の1940年から1951年にかけて映画館で上映されていた「日本ニュース」というニュース映画(テレビのない時代、映画館で上映されていたニュース番組のこと)は戦時中、国民の戦意を高揚されるために使われたと言われており、マーケティングとは異なるものの、人の気持ちに影響を与えるために動画を使うという手法は80年以上前から存在していたと言えます。
世界初の動画CMはヤンキースの試合中継前にニューヨークで放映された腕時計のCMです。高級時計メーカーのBulovaが展開したもので、同社は世界で初めてラジオCMを流すなど常に革新的なマーケティングを行っていたようです。
面白いことに、日本初のテレビCMも1953年、精工舎(現在のセイコーホールディングス株式会社)による時報を告げるCMでした。日本もアメリカも時計にまつわるCMからテレビCMの歴史が始まったというのは運命的なものを感じますね。
高度成長期は家電や自動車といった豊かさを象徴する製品のCMや、コーラやクラッカーなど当時の流行語を生み出すような製品のCMが中心であり、1970年代に入ると企業メッセージを伝える社会派CMも増加。1980年代以降はデジタル技術の進化により、合成や特殊効果などが取り入れられるようになり、2000年代に入るとCGで作ったキャラクターがCMに登場するなど、大きな変化を遂げました。
21世紀に入ると2007年にApple社が発表したiPhoneによって、動画視聴はテレビからインターネットへと移行していきます。YouTuberが憧れの職業となっている現在ではテレビよりもネットの方が購買率が高いという現象も起きているようです。
動画の公開手法
先述した動画マーケティングの3つの目的は、「商品やサービスを知ってもらうこと」「商品やサービスを買いたい、利用したいと思ってもらうこと」「商品やサービスのブランディング」でした。ではこの目的のためにどのような手法を取れば、動画をユーザーに届けることができるでしょうか?主な公開手法について解説します。
広告の出稿
動画広告を媒体に出稿する方法です。
YouTubeやFacebook、Instagram、TikTokなどさまざまな媒体が動画広告を採用しています。
YouTubeには再生中や再生前後に流れるもの、スキップできない6秒広告やパートナーサイトで配信されるモバイル専用広告など、さまざまな種類の動画広告があります。
Facebookはフィードやストーリーズなどに配信することができ、年齢や性別だけでなく趣味関心などにあわせてターゲットを選択できます。また、Instagramと連携しているためFacebookを通じてInstagramにも配信することができます。
このように媒体によってできることが異なるため、ターゲットと目的に合わせて媒体を選定するとよいでしょう。
SNSやメルマガでの発信
自社のSNSアカウントやメルマガなど、自社から発信しているコンテンツ内で動画を配信する手法です。企業アカウントや企業チャンネルの活用は近年、マーケティングやブランディングにおいて当たり前となっています。
広告費用がかからないのがメリットですが、フォロワーが極端に少ないと人の目に触れにくいため、フォロワーを増やす施策が別途必要となることも。
Webサイトに公開
自社のWebサイトやランディングページ(LP)に公開する方法です。テキスト広告を利用している場合はそちらからの誘導も可能です。
自社のサイトに公開する場合は、CM色が強い動画よりも、商品を紹介したり実際の使い方などを紹介する動画など、商品や自社について知ってもらう内容の方が、よりニーズに沿ったものとなるでしょう。
インフルエンサーの活用
YouTuberなどのインフルエンサーに商品を紹介してもらうという手法です。インフルエンサーの活用は近年多くの企業が取り入れるようになった手法ですが、あまりに宣伝色が強いと敬遠されてしまいます。とは言えステルスマーケティングになってしまうと炎上を招きかねないため、ちょうどいいバランスの見極めが必要です。
動画マーケティングのメリット・デメリット
動画を活用したマーケティングにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ確認しておきましょう。
メリット
動画は静止画やテキストのみの情報に比べて、格段に多い量の情報をユーザーに届けることができます。そのため、「ユーザーに商品やサービスの魅力を伝えやすい」のが一番のメリットであると言えるでしょう。
また、動画広告を利用する場合はターゲットを絞って配信が可能であるため、届けたいユーザー層へアプローチしやすく、効果測定と分析が可能であることも大きなメリットです。前述したようにZ世代を狙いたいなら動画活用はマストと言えますし、狙いたいターゲットによっては大きな効果を得ることができます。
SNSに配信することによって拡散されやすいと言うのもメリットの一つです。
デメリット
動画マーケティングは比較的新しい手法です。そのため、動画マーケティングに精通した人材を社内で育成できているという企業はまだまだ多いとは言えません。社内で動画マーケティングを担当できる人材がいなければ外注する必要があるため、依頼する業者によっては自社で行うよりもコストがかかることも。
自社で動画を作成する場合も注意が必要です。商品やサービスのどういった点がユーザーに好まれるのか、どういう動画なら商品やサービスの魅力を伝えることができるのか、動画の訴求ポイントや構成など、きちんと作り込まなければ、広告効果が出ないだけでなくブランディングの面で逆効果になってしまうこともあります。
動画マーケティングにゲームが適している理由
ゲームは動画マーケティングと非常に親和性の高いコンテンツです。なぜならゲームは基本的にPCやスマホ上で動くものであり、魅力を伝えるために動画ほど適した手法はないからです。
実際、ゲームの実況プレイはYouTubeやニコニコ動画などでも人気のジャンルとなっており、数多くのプレイヤーが動画を配信しています。ゲームのプレイ動画を「見る」行為を楽しむのが一般的になっており、これはゲームを動画マーケティングに活用しやすいということでもあります。
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現在、デジタル広告の運用はAIによって自動で行うことが可能であり、運用自体は誰が担当しても成果に差は出にくい時代となっています。
ではどこで成果の差が出るのでしょうか?答えは「クリエイティブ」です。クリエイティブのクオリティは成果に直結するため、動画マーケティングを考える際にはもっとも重視しなければならないポイントです。
特にクリエイティブは静止画よりも動画の方が成果貢献度が高いと言われており、広告効果を最大にしたいなら、クオリティの高い動画制作と広告運用をまとめて任せられるMr.GAMEHITにお任せください。ゲーム動画広告における複数の課題を一気通貫で全力サポートいたします。
まとめ
動画マーケティングの歴史は非常に古いものですが、今ほど動画が身近になった時代はなく、また効果測定が可能となったのも最近のことです。
初期は憧れをかき立てるCMが主流だったようですが、CMの内容も少しずつ変化していき、企業メッセージを伝える社会派CMの流れも生まれ、近年では商品やサービスをより身近に感じられるような動画に好感度が集まる傾向にあるようです。ゲーム実況やメイク動画などが人気を集めているのもそういった理由からなのではないでしょうか。
動画の配信手法や、広告手法などもどんどん新しいものが登場していますし、動画マーケティングのさらなる進化が楽しみですね。
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